産み分けのための着床前診断を日本国内で受けることはできるの?

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産み分けのための着床前診断を日本国内で受けることはできるの?

着床前診断とは

着床前診断は受精卵の細胞の一つを取り出し、染色体や遺伝子検査を行って受精卵に異常がないかどうかを診断する医療技術です。

もともとなんらかの原因で妊娠しにくい方が妊娠しやすい受精卵を選択して子宮内に戻すために行われていた方法で、着床前診断では妊娠できる可能性が高い受精卵を選別しお腹に戻します。

この検査を受けることで、染色体異常による流産や遺伝子疾患を抱えた子供が生まれるのを未然に防ぐことができるようになりました。

そして、着床前診断をすると男女の産み分けも可能になります。

着床前診断のデメリット

着床前診断には否定的な意見もあります。

検査の過程で排除された受精卵の中にも、出産できる可能性があるものが含まれていたという考えもあり、命の選別になるのではないかと倫理的問題が指摘されています。

またどこでも着床前診断を受けられる訳ではなく、承認を受けている病院でのみ検査が受けられます。

また誰もが診断を受けられる訳ではなく、着床前診断を受けるには条件にあてはまる必要があります。

さらに条件にあてはまっても、診断を受けるのに承認されるまで6か月~1年ほど時間が必要になります。

高齢で早く妊娠したい方にとっては、妊娠するまでの時間を数ヶ月分ロスすることになります。

日本国内で男女産み分けの着床前診断を受けることはできる?

日本産婦人科学会では産み分けの為の着床前診断を禁止しています。

これは「命の選別」にあたるためです。

ただし、ご夫婦どちらかの染色体構造異常または遺伝子疾患を持ち、それが原因での習慣流産(不育症)を繰り返す場合、日本産科婦人科学会の倫理委員会で承認を得た症例に限り、着床前診断を受けることができます。

着床前診断を行って産み分けをしたい場合は?

着床前診断を行って100%の産み分けを行いたい場合、以前は日本では産み分けを行うためための着床前診断が禁止であったため海外に渡航する必要がありました。

しかし、現在では日本にいながら自分の受精卵の性別を判定する着床前診断を受けられる仲介業者が存在します。

その方法としては、日本のクリニックで体外受精を行い受精卵を作成。その受精卵から細胞の一部を取り出し、取り出した細胞のDNAを増幅、米国のReprogenetics研究所に送り検査を実施するというものです。

この方法では親となる私たちが渡航する必要なく着床前診断を受けることができるのが最大のメリットですが、妊娠まで多大な時間、いくつものハードル、莫大な費用がかかることを理解しなければいけません。

ハードル1:受精卵を得て、胚盤胞まで育てる

着床前診断を受けるためには採卵を行い、受精卵を作る必要があります。採卵で卵子を採取するために排卵誘発剤を飲み、採卵当日は全身麻酔もしくは局所麻酔で採卵を行います。

採卵、体外受精(顕微授精)の費用はクリニックによって異なりますが1回につき50万円前後ほどです。

排卵誘発剤の副作用、注射の痛みなど身体的な負担がかかってきます。。

ハードル2:生き残った受精卵の数と希望の性別の割合

採取できた卵子が仮に3個だった場合、そのすべてが受精するとは限りません。また着床前診断を行うには胚盤胞まで育てる必要がありますが受精した卵子がすべて胚盤胞まで育つとは限りません。(胚盤胞まで育つ受精卵は本当に少ないです)

そして胚盤胞まで育った受精卵が希望の性別である可能性はさらに2分の1です。

産み分けのために海外に渡航し体外受精を行い、胚盤胞まで育て性別を調べたところどれも希望の性別ではなかったケースもあり、その場合それまでにかかった費用を支払うだけで終わります。

ハードル3:着床するかわからない

無事、胚盤胞まで育つ受精卵が得られ着床前診断を受け、希望の性別の遺伝子をもった受精卵を得た後子宮内に移植したとします。

ですがその胚盤胞が子宮内で着床し、さらにその後も無事に育つ可能性はその受精卵次第です。

妊娠できなかった場合、凍結した余剰胚があればそれを再度移植できますが、なかった場合はそこで挑戦が終わり、また振り出しに戻ります。

ハードル4:莫大な費用

産み分けをせずとも、不妊治療で採卵⇒体外受精⇒子宮内移植⇒余剰杯凍結を行うと総額で100万近くかかることもざらではありません。

産み分けのために仲介業者を利用した場合は、着床前診断の費用と仲介業社に支払う費用がさらに上乗せでかかってきます。

・体外受精費用
・受精卵輸送費用
・着床前診断費用
・遺伝カウンセリング
・コーディネート手数料
・着床前染色体診断費用

等がかかり、費用は数百万円単位でかかります。

ハードル5:日本の法律では触れていないがグレーゾーン

仲介業者に依頼し着床前診断を行う場合、会社側が指定した病院で採卵を行い、費用はどのくらいなのかといったことが不明瞭です。(おおよそ300万円が目安ですが、くわしい金額は問い合わせをしなければわかりません)

体外受精を行う病院と着床前診断を行う場所を別々にすることで日本の法律に触れないようになっています。

産み分けのために着床前診断を受けたい場合はこのようなデメリット部分も踏まえたうえで、検査を受けるか、受けないかを決めてみてくださいね。